吉沢の日記

楽しい生活をちらほら残すために。

依存先は分散するといいよ

 

会社を辞める少し前から、元気がなくなって行かなくなったお店があった。

毎週、1日だけ、間借りして開いてるバー。

毎週顔を出してたのにぱったり足が運べなくなった。

 

それで、半年ぶりにお店に寄ってみた。
半年ぶりの銀座線、なんだか懐かしい。駅が若干綺麗になってる。

 

改札を出て、焦る気持ちが抑えられなくて、横断歩道を走る。
そうしたら、白線の途中でイヤリングを落として、結局つぎの青になるまで待ってた。馬鹿。


お店は持ち込みがOKなので、
となりのコンビニでおにぎりを買った。

 

それからバーに向かうと、
店頭に新しく小窓ができてて、だれが作ったんだろう。


足を止めたら中から笑い声が聴こえてする。

ひょいとお店に足を踏み入れた。
お店の店内灯がムーディーになってたり、カウンターが小綺麗になってた。
お客さんが、芋洗いみたいにギュウギュウ詰まって繁盛してた。

 


わたしの顔を見て懐かしんでくれる人がいて、ハグを何度も繰り返す。

背中をリズムよく叩く手が心地よくて、このまま寝てしまえたらいいのになと思った。彼女はいつも甘やかし上手だ。


久しぶりすぎない、とお兄さんにも言われた。


「半年と言わず、2ヶ月ぐらいで顔だしなよ」


ツンとしながら言われた言葉が嬉しくて、
何度も心の中で握りしめてた。

 

 

何の仕事してるか、何歳なのか、どこに住んでるのか、本当の名前をなんていうのか、全然しらない。
教えてよ、って、強請ってみる。
そうしてから、はぐらかされるのも好きだ。

本当のことを、全然なにも知らないのに、よく知ってる。

 

みんな大好きなんだから最高だ。
一等に大好きだよ。


その日はよく飲んで、食べて、新しい知らないひとと、取り止めのないことばかりを話した。楽しい。

 

 

久しぶりにお店に来てるよ、とLINEをしたらギター片手に来てくれた。生の演奏を聴くのは久しぶりだな。なんだか顔立ちが凛々しくなった?ハタチ迎えたもんね、おめでとう。

 

 

 

f:id:yoshihoshi:20180426231455j:image店主のお祝いケーキのひとつ。
こんなロウソクの立て方あり?(溶けたロウがこの後ケーキに垂れる)

 

 

「さあさあ、けーれけーれ!(帰れ帰れ)」
閉店の時間になると店主がいつも言う、おきまりのセリフだ。


最後に癒されようと、帰り際に撫ぜた店主の頭はふかふかだった。覗く目がくるりと丸いこと、カクテル作る腕が格段に上がってたこと、面白い話をする時に先走って笑っちゃうクセがあること。全部が懐かしい。やや広くて厚い肩を眺めながら、また来ようと思った。

 

貴方に似合うと思った口紅や、貴女がために買った文房具たちを渡さねば。


しまい込んだ戸棚のことを思い出した。

 

また適当に伺いますね。

 

 

f:id:yoshihoshi:20180511133602j:image帰り道に見るスカイツリー好き

 


おしまい。